「また退職代行か…」で終わらせない(2025/11/27)

“辞めたくなる職場”から、“働き続けたい会社”へ変わるために
近年、退職代行を使って会社を辞める人が急増しています。
「突然来なくなった」「代行から連絡が来た」――そんなケースが珍しくなくなった今、企業は“人が辞める理由”から目を背けてはいけません。
先日、Yahoo!ニュースに掲載されたこちらの記事が、まさに多くの中小企業経営者が直視すべき現実を突きつけています。
📰 有給を勝手に使われるとか理解できない 退職代行68回の製造メーカー、辞めた20代女性のエピソード
この記事では、退職代行「モームリ」のデータから、68回も退職代行が使われた製造メーカーの実例が紹介されています。
退職理由に潜む、見えない“組織の歪み”
記事に登場する20代女性のエピソードでは、以下のような問題が明らかになっています。
· シフト制にも関わらず、夜勤ばかりを押し付けられる
· 他の人が対応できない業務を、なぜか特定の社員だけに依頼
· 有給が“勝手に”使われていた
· 残業が急増、課長交代後のハラスメント的な扱い
· 退職の申し出をしても、面談日すら設定されないまま放置
こういった状態が続けば、「辞めたい」と思うのは当然のことです。
むしろ「まだ耐えていた方」とすら言えるかもしれません。
本質は「個人の耐性」ではなく、「組織の仕組み」
この事例を「最近の若者は根性がない」で片付けてしまっては、本質を見失います。
問題は、“辞めたくなるような環境”が放置されている組織の側にあります。
· 責任の偏り
· 評価されない努力
· 意見を言えない雰囲気
· 「とりあえず引き留める」だけの上司
これらを改善せずに採用を繰り返しても、また人が辞め、また退職代行が使われるだけです。
離職を防ぐために企業ができる3つのこと
1. 業務の偏りと心理的負担を“見える化”する
「夜勤が偏る」「成形業務のカバーを押し付けられる」
こういった問題は、定期的なヒアリングや無記名アンケートであれば早期に把握できます。
· 誰に負担が集中しているのか?
· 有給取得は偏っていないか?
· 不満を感じている人はどこにいるのか?
データと対話の両方で、現場の声を拾い上げる仕組みづくりが必要です。
2. 管理職の“マネジメント力”を見直す
記事では、課長の交代をきっかけに残業が増えたとあります。
これはまさに「上司の質」が離職の直接要因になっている証拠です。
· 面談が機能していない
· 相談しても対応されない
· 感情や経験だけで判断される
こうした職場では、優秀な人ほど先に辞めていきます。
綾部事務所では、管理職向けの面談設計やコミュニケーション研修も提供しています。
上司の対応力を底上げすることが、離職防止の近道です。
3. 「合わない人を入れない」採用の仕組みを持つ
人が辞めてしまう理由の多くは、入社後のミスマッチです。
· 「夜勤があるなんて聞いていない」
· 「有給は自由に取れるって言ってたのに…」
· 「職場の雰囲気が思っていたのと違う」
これらはすべて、採用段階で防げる問題です。
綾部事務所では、以下のような採用支援を行っています:
・ 適性検査を用いたミスマッチ防止
・ 面談スクリプトの設計
・ 職場環境の“正しい伝え方”支援
・ 採用から育成までを一貫して考える制度構築
「人が続かない」を嘆く前に、“最初の入り口”を整えることが鍵です。
権威に従う管理職の“無自覚なハラスメント”も要注意
記事中では、社会心理学の有名な「ミルグラム実験」も引用されていました。
これは「権威者の指示に対し、人は思考を停止しやすい」ことを示した実験です。
つまり、課長や部長といった立場にある人が、
· 「これは会社の命令だから」
· 「みんなそうしてる」
という理由で、理不尽な指示を部下に出してしまう構造があるのです。
企業全体として、「ならぬことはならぬものです」と言える文化を持てるかが問われています。
まとめ:社員の「辞めたくなる理由」を、会社が先回りして潰していく
退職代行を使う人は、「勝手な人」でも「忍耐力がない人」でもありません。
“他に手段がないから”、退職代行を選ばざるを得なかっただけです。
この事例から学べることは非常に多く、私たち企業が真剣に向き合わなければならない問題です。
· 人が辞める前に、声を拾えているか
· 入社時点で、誤解を生むような説明はしていないか
· 管理職に、部下と向き合うだけの余裕とスキルがあるか
綾部事務所では、採用・定着支援や制度設計を通じて、人が辞めない組織づくりをサポートしています。
採用してもすぐ辞めてしまう、人が定着しないとお悩みの方は
綾部事務所までご相談ください。
(※本記事は以下の記事を参考に執筆しました)
