人事制度は社員を評価するためのものではない(2026/9/4)
~中小企業が最初に取り組むべきは「仕事の見える化」~
こんにちは、綾部です。
人事制度の相談を受けると、
経営者からよくこんな言葉を聞きます。
「頑張っている社員をきちんと評価したい」
素晴らしい考え方です。
しかし私は最初にこんな質問をします。
「その社員は何をやることが期待されていますか?」
すると意外なほど答えに詰まる経営者が多いのです。
■評価できないのは当たり前
例えば営業担当者。
売上を上げることが仕事でしょうか。
新規顧客を獲得することでしょうか。
既存顧客をフォローすることでしょうか。
クレーム対応でしょうか。
実は会社によって求める役割は違います。
つまり、
仕事が明確になっていない状態では、
評価もできないのです。
■能力は見えない
従来の人事制度は
「能力」を評価しようとします。
しかし、
能力は見えません。
測れません。
人によって解釈も違います。
ある上司は
「積極性がある」
と評価しても、
別の上司は
「出しゃばりだ」
と評価するかもしれません。
これでは評価に納得感は生まれません。
■仕事は見える
一方で仕事は違います。
営業担当なら、
・月間訪問件数
・提案件数
・受注件数
・売上高
など具体的に見えます。
事務担当なら、
・請求書発行
・給与計算
・入退社手続き
など仕事を書き出すことができます。
つまり、
仕事は分析できるのです。
■職務分析から始める
私が人事制度づくりで大切だと考えているのは、
まず職務分析です。
その仕事には
どんな課業があるのか。
どんな作業があるのか。
どんな責任があるのか。
それを徹底的に洗い出します。
時間はかかります。
正直、評価シートを作るよりずっと大変です。
しかし、
ここを飛ばすと制度は機能しません。
■評価しなくても良い世界
職務分析が終わると、
仕事ごとの成果基準が見えてきます。
つまりKPIです。
達成したか。
達成できなかったか。
ここが明確になります。
すると、
「頑張っていたからA評価」
ではなく、
「求められた仕事を達成したから評価される」
に変わります。
評価のための評価が不要になるのです。
■人手不足時代だからこそ
これからの時代、
人材不足はさらに進みます。
だからこそ、
一人ひとりが生み出す価値を高めなければなりません。
そのためには、
人を評価する制度ではなく、
仕事の質を高める制度が必要です。
私は職務分析を起点とした人事制度こそ、
中小企業の生産性向上につながると考えています。
■まとめ
人事制度の目的は、
社員を順位付けすることではありません。
会社が求める仕事を明確にし、
社員が成長し、
会社の成果につなげることです。
その第一歩は評価制度ではなく、
職務分析です。
人を変える前に、
仕事を見える化する。
そこから本当の人事制度づくりが始まります。
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