採用しても辞めてしまう時代に、「辞めたくなる理由」を知る意味(2025/9/22)

退職代行から“引き留め代行”まで登場。いま企業に求められる離職防止策とは?
「モームリ」というインパクトのある名称で話題になった退職代行サービスをご存知でしょうか?
SNSでも「明日から会社に行かなくて済む」と一部の若手に支持され、メディアにも多く取り上げられました。
そして2025年8月に新たに登場したのが“退職引き留め”を目的としたサービス――その名も「イテクレヤ」。広告会社が始めたこの取り組みは、「会社を辞めたい」と考えている社員の本音を聞き出し、その改善案を企業にフィードバックすることで、離職を防ぐというものです。
参考:ABEMA TIMES - 退職引き留めサービス「イテクレヤ」
このように“引き留めサービス”まで登場している背景には、退職が当たり前になった現代の価値観と、人手不足が深刻化する企業側の危機感があります。
「退職代行」や「イテクレヤ」が登場する社会的背景とは?
退職代行の利用者が増え、「円満退職」の文化が崩れつつある一方で、企業も必死に人をつなぎ止めようとしています。
これまでのように「頑張って働くのが当たり前」「辞めるのは根性がない」といった価値観は、現代の若手社員には通用しません。
特に20〜30代の若手社員は「働き方」や「会社との関係性」に対してシビアに見ています。
- ・フィードバックがない
- ・評価が不明確
- ・上司との相性が悪い
- ・社内で相談できる人がいない
こうした理由で、表向きは問題がなさそうでも、心の中では「そろそろ辞めようかな」と考えている人が一定数いるのです。
離職防止のカギは「辞めたくなる理由」の見える化
「人が辞めない会社を作りたい」
「でも、どうやって本音を聞き出せばいいの?」
そう感じる経営者も多いのではないでしょうか。
私たち綾部事務所では、以下の3つの視点から、離職の原因を明らかにし、企業が自走できるよう支援しています。
1. 離職リスクの“見える化”
- ・定期的なヒアリングの設計:雑談ではない、仕組みとしての面談導入
- ・無記名アンケート支援:気まずさをなくし、本音を引き出す
- ・データで組織の状態を把握:数値化による客観的評価
「最近、あの子の元気がないな…」という主観だけに頼らず、データと仕組みで気づける環境が重要です。
2. 評価と育成制度の見直し
- ・自主性を評価する仕組み:言われたことをこなすだけではない評価軸を導入
- ・頑張っても報われない構造を改善:ブラックボックス化した評価制度の透明化
- ・面談の質と頻度の改善:結果だけでなく過程を見る風土を作る
人は「見てもらえている」と感じるだけで、モチベーションが大きく変わります。
3. 退職者から学ぶ「再発防止策」
- ・辞めた人の声を残す:退職理由アンケート・ヒアリングの設計
- ・外部による第三者面談:利害関係のない立場だからこそ話せる本音
- ・社内の改善につなげる文化:原因追及ではなく、改善視点
退職を“失敗”ととらえるのではなく、「未来の退職者を減らすヒント」として活かす視点が必要です。
採用よりも難しいのは「定着」
最近では、求人媒体に広告を出してもなかなか応募が来ない、という声をよく聞きます。
にもかかわらず、やっと採用できた人が半年以内で辞めてしまうケースも珍しくありません。
実はこの背景には、「採用の仕組みの弱さ」と「受け入れ体制の不備」の両方があるのです。
採用支援 × 定着支援 = 本当の採用成功
綾部事務所では、
- ・自社に合う人材のペルソナ設計
- ・求人原稿のブラッシュアップ
- ・面接プロセスの設計
- ・入社後の定着支援(面談制度や評価制度の整備)
など、“採用から定着まで”を一気通貫で支援しています。
採用の成功は、単に応募が集まるかどうかではありません。
採用した人が会社に馴染み、活躍し、長く働いてくれることこそが、本当のゴールです。
まとめ:辞めさせない努力は、「入社前」から始まっている
今回紹介した「イテクレヤ」のような退職引き留めサービスの登場は、
「採用しても定着しない企業側の苦しみ」を映し出していると感じます。
でも本来は、辞める前に気づける仕組みがあれば、
外部サービスに頼らなくても、社員は辞めずにすむかもしれません。
経営者がまずやるべきことは、「人は辞めるもの」という前提に立ち、
それでも辞めずに働いてくれる仕組みを整えることです。
人材の採用や定着にお困りの方は、ぜひ綾部事務所までご相談ください。
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