事業主も労災に入れるってホント?──中小企業のための「労災保険・特別加入制度」解説(2026/1/9)
こんにちは!社会保険労務士法人 綾部事務所です。
今回は、建設業・製造業・飲食業など、中小企業で働く「事業主や役員の皆さまに向けて」
あまり知られていないけれど、実はとても重要な制度――
「労災保険の特別加入制度」をご紹介します!
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✅ そもそも、労災保険って誰のためのもの?
労災保険(正式には「労働者災害補償保険」)は、仕事中や通勤途中のケガ・病気に対して補償する制度です。
対象となるのは、原則として「労働者」。つまり、会社に雇われている従業員です。
ところが…
実際の現場では、事業主自身がトラックを運転したり、厨房に立ったり、現場で汗を流していることも多いですよね。
でも残念ながら、事業主・役員・家族従業者などは「労働者」ではないため、労災保険の対象外なのです。
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✅ でも大丈夫!「特別加入制度」があります
そんなときのために用意されているのが、
労災保険の「特別加入制度」です。
これは、労働者でない事業主などでも、一定の条件を満たせば労災保険に加入できるというありがたい制度。
現場に立つ経営者、作業を手伝う家族従業者、法人役員なども対象になります。
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✅ 中小企業の事業主でも入れる?
はい、加入できます!ただし条件があります。
労災保険に特別加入できる「中小事業主等」とは、
常時使用する労働者数が以下の基準を満たす事業主やその事業に従事する役員・家族です
| 業種 | 労働者数の上限 |
| --------- | ------- |
| 小売業・飲食業 | 50人以下 |
| 卸売業・サービス業 | 100人以下 |
| 建設業・製造業など | 300人以下 |
そしてこの制度を使うには、原則として労働保険事務組合に事務処理を委託する必要があります。
つまり、「社労士さんのいる事務組合を通じて申し込む」形が一般的です。
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✅ どんな補償が受けられるの?
基本的には、労働者と同じ補償が受けられます。
* 業務中のケガの治療費(療養補償)
* 休業中の収入補償(休業補償)
* 障害が残った場合の補償(障害補償)
* 万が一の遺族補償
* 通勤途中の事故にも対応
「会社の経営を守るには、まず自分が倒れたときの備えをしておく」
これが、現場に立つ事業主のリスクマネジメントと言えるかもしれません。
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✅ 保険料はいくらぐらい?
保険料は、選ぶ「給付基礎日額」と、業種ごとの「保険料率」で決まります。
【例】
建設業(保険料率 約9.5/1000)で、日額10,000円の補償を選んだ場合
→ 年間の保険料は、約34,000円
飲食店などの業種であれば、もっと低く抑えられる場合もあります。
【選べる日額の範囲】
3,500円 ~ 25,000円の中から自由に選択可能。
事業規模や収入に応じて調整できるのも、この制度の魅力です。
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✅ 注意点はある?
はい、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
🔸 補償対象の業務を明確に申請
申請時に記載する「どんな仕事をしているか」「どんな働き方か」は大事です。
実際の働き方とズレがあると、労災が認定されないケースもあります。
🔸 民間の保険との併用も検討
労災保険だけではカバーしきれない部分(例:入院費、家族の生活補償)については、
民間の所得補償保険や傷害保険を併用する企業も多いです。
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✅ 加入の流れは?
特別加入の手続きは以下のように進みます
1. 労働保険事務組合(社労士事務所など)に相談
2. 必要書類の提出(事業主の職種・日額選択など)
3. 健康診断(業務によっては必要)
4. 労働局の承認を経て加入
5. 加入後、保険証が交付され、補償がスタート!
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✅ 「自分には関係ない」と思っていませんか?
建設現場に毎日立っている社長、配送をこなしている役員、レジや厨房に立つ家族従業者…。
皆さんにこそ、この制度が必要です。
「自分が倒れたら、お店も、社員も、家族も困る」
そうならないように、今こそ“経営者の保険”を整えておきませんか?
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✅ 綾部事務所では「特別加入サポート」も行っています!
綾部事務所では、労働保険事務組合を通じた中小企業事業主・一人親方の労災特別加入の支援も行っています。
* 対象になるか確認したい
* 給付基礎日額の選び方がわからない
* 他の補償制度とどう違うか知りたい
といったご相談も、お受けしています。
お気軽にどうぞ!
